ean9ceu@NDF.peq9uwg’s diary

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今週の読書(7月1日〜7日)

週末や移動時間を前に、さて何を読もうと本棚に向かうのが楽しい。資本論とかドゥルーズなどを一度は手に取るけれど、ただの週末。そう思って棚に戻して、文庫本の短篇集をカバンに入れる。/いつのまにか火曜日になっている……。引き続き先崎彰容さんの『維新と敗戦』(晶文社)を読む。テキストの末尾に添えられている読書案内がとても参考になる。「[「夏の終わり」を引いて]敗戦を詩人が言葉にしたとき、そこには強風が吹き荒れ、敗亡のかなしみと、挫折感を漂わせる美的な風景があるだけだった。巨大な秩序の崩壊を前にして、詩人は浮浪雲を描くことで、急いている時代の雰囲気を語った。じっとその様子を凝視する詩人だけは急くことはなく、燃え輝く太陽のもとに佇み、無言で放心しているのである。」「ロマン主義と「孤高」の詩人──伊東静雄」/挙げられていたひとたちから何か、と坂口安吾堕落論・日本文化私観』(岩波文庫)を。文章の調子の良さに惹かれる。「小説は事体をありのままに説明することではない。小説は描かれた作品のほかに別の実体があるわけのものではない。小説はそれ自体が創造された実体だからである。」「意慾的創作文章の形式と方法」/あっというまにまた週末……。でかけついでに古書店で文庫本の岡茂雄を買う。そのほか今週読んでいたのは近藤祉秋さん、大江健三郎追悼特集号、など。(7月7日)